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【FOSTEX GR160 インプレッション】 〜 低音って空気の動く感覚なんだなっと改めて思う
この20年間だけを見ても、スピーカーのテクノロジーって変わってるんだなっと思うのです。
ユニットの素材、エンクロージャーの形状や内部構造、ユニット配置・・・いろいろですよね。
特に小型スピーカー分野は、メインスピーカーとして使えるプロダクトを見てみると
外形サイズや性能限界のボーダーラインが明らかに変わりました。

さて、本題です。

GR160をカートンから取り出してスピーカースタンドに設置した、S壱号。
対面に立ち、スピーカーを見つめながらつぶやくのです。
「けっこう大きいんだなあ。これ、大きいよね?」

S弐号、こう思っておりました。
「おっ! 正統派なサイズの小型スピーカーって久しぶりに見たなあ」

FOSTEX_GR160_01.jpg
<FOSTEX GR160 ウーファーのエッジが特徴的です>

既に記しましたが、スピーカーの変遷を振り返ってみますと、
小型スピーカーと呼ばれるカテゴリは大きく変化が生じたんだなあ、と感じてます。
エンクロージャーサイズ、フロントバッフルのワイドや低域側ユニット径のダウンサイジングはその最たるもの。
今や小型スピーカーとは、スタンドマウンティングというよりも、
ニアフィールドリスニング・デスクトップオーディオサイズが標準なのか?と思うくらいです。
S壱号は、現代的なイメージでの小型スピーカーとの対比からそのようにつぶやいたのであります。

対しまして、S弐号。
アタマには、80〜90年代に一般的であった小型2wayスピーカーをイメージしておった次第。
例えば、Rogers LS2a/2とかJBL4301の様なイメージですね。
ちなみにLS3/5Aは、それよりもまた一回り小さい別格的感覚でした。
確かに、マイクロキューブ型フルレンジAURATONE 5Cみたいなモデルもあったわけですが、
それはある意味大変特殊な存在。現在の様相とは異なります。
ですので、ドルビーサラウンド普及期におけるリアスピーカー程度の大きさにも拘わらず、
メインスピーカーとしてパッケージングされたと言う触れ込みの
DALIの初代Menuet(150 Menuet)を目の当たりした時には、プライスを含めそれはそれはぶったまげたのです。
・・・そりゃしょうがないワケでして。オッサン世代のブックシェルフスピーカーって、
¥59800戦争真っ只中の80年代国産3wayのあのデカさが普通だったんですよね。
あの時代を基準にしたら、GR160は明らかに小型スピーカーとなります(笑)

LS2a2_02.jpg 4301_02.jpg
<左:Rogers “non BBC model” LS2a/2 右:JBL “コンパクトスタジオモニター” 4301BWX>
---------------------------
FOSTEX GR160
高域用ユニット:20mmリッジドーム形状純マグネシウムツィーター
低域用ユニット:16cmHR形状2層抄紙振動板ウーハー
外寸:228(W)×390(H)×273(D)mm
重量:8.6kg

Rogers LS2a/2 (1990年代/イギリス)
高域用ユニット:19mmアルミニウムツィーター
低域用ユニット:16cmポリプロピレンコーン
外寸:230(W)x356(H)x208(D)mm
重量:6kg

JBL4301BWX(1980年代/アメリカ)
高域用ユニット:36mmコーン型(LE26)
低域用ユニット:20cmコーン型(116H)
外寸:291(W)×483(H)×306(D)mm
重量:12.7kg
ー-------------------------

そんな経緯を踏まえまして、このGR160、小型スピーカーのカテゴリではあるのですが、
皆さんのイメージする小型スピーカーに合致するかどうか、実物で確かめた方がよい様に思います。
小型の基準がどこにあるのかで個々人の印象が異なってしまうであろう、そんなサイズなんです。

GR160は、外観から醸し出す他の要素も含めて80〜90年代のスピーカーみたいに感じます。
オールドオーディオファンにとってはなんとなく懐かしさを覚えるかもしれませんね。
このくらいのエンクロジャーの容積やユニット径って、
小型スピーカーを無理なくパッケージ出来る大きさの様に思うのです。
構造上の観点から、サウンドの余裕度や負荷の適正化が容易になるであろう、というのがその理由。

ツィーターは純マグネシウムマグネシウム合金だそう。
 ⇒ 赤字に修正いたします。純マグネシウムとマグネシウム合金、違いますよね。すみません。
   ついでに補足しますと、この両者、名前は似てるんですが、
   振動板自体の固有音とそれに伴う付帯音の度合いが全然変わっちゃうんです。大事なところですよね。
   もちろん“純マグネシウム”の方がハイファイ的視点からより理想的。FOSTEXさんコダワリのパーツなので加筆です。

ウーファーにはFOSTEXさんお得意の特殊なエッジが目立ちます。
  ⇒ 軽量且つ剛性の高いコーン紙にもFOSTEXさんのノウハウと手間が満載だそう。このお話はまたの機会にでも。
しかも、ボトムにはバスレフポートを下向き、つまり床に向けて設置した独特のスタイル。
これ、設計やシミュレーションを緻密にやらないと上手くいかない、とても難易度の高いアプローチだと伝え聞きます。
ということで、このGR160、デザイン的には落ち着きあるノスタルジックなスタイルですが、
内在するテクニックは全くもって現代的なのであります。

サウンドを聴いてみました。まずは、以下の組み合わせ。
------------------------
PC/レンダラー:Ritmo DSDPlay/Win7 Pro SP1/Foobar2000
DAC:Mytek Digital Stereo192-DSD DAC M
アンプ:Marantz PM7005
-------------------------

で、お題のソースは、先日レコーディングしてきたSTORMさんのライブ。
SONY PCM-D100によるDSD64音源です。

うーん、「深いサウンド」と表現すればのいいかな。
クラリティとかトランスペアレンシーの様な要素が表に出てくるようなサウンドとは異なります。
これは、最近だとけっこう珍しいサウンド基調かも。
低域の鳴り方、非常に印象に残ります。ボトム側から押し出される量感が大きいのです。
スタジオモニター用途の小型パワードスピーカーが鳴らすサウンドバランスに近いな、という感じ。

この大変特徴的な低域について、もう少し見てみましょう。現代において標準的なスタイルといえる、
タイトに引き締めてシャープさや切れ味を求めた低音というより、量感を重視する方向のサウンド。
その点、少し時代を遡ったスピーカーに近い音色のよう。ですが、決してモタモタするようなことはなくて、
電子楽器で構成され、またPAを介するSTORMさんのライブ楽曲が、十分なスピード感を保ちながら流れて行きます。

電子楽器の低音って、アコースティック楽器と比較して立ち上がりが鋭く、また減衰の早い乾いた音ですので、
モタモタした低音になってしまうと「スカッとしたエレクトリックらしさ」がスポイルされちゃうのです。
GR160のサウンドは、そういう感じが「無い」と来ました。
ここは、「さすが今の時代に設計されたスピーカーなんだなー!」っと感心した次第。
エントリーレンジのスピーカーをお探しで、特に低音量感志向派の方は一聴されてみたらいかがかな?っと思います。
ロックなどのポピュラーがお好きな方とか、結構いいかも。

この深みと低域の量感からちょっと思い立ちました。
ニュートラルな方向へのサウンドチューンはやめて、もっと深く濃いサウンドに振り切ってみよう、と。
果たして、どうなるのだろう? 特徴がより面白く表現されるか? 過剰になりすぎるか?

そんなわけで、お次はLINNのINTEKにアンプをスイッチします。
90年代初頭にリリースされた古いプリメインアンプなんですが、
これ、濃くって大人っぽい音色が特徴のアンプです。

いやー、これは濃いです(笑) 陽と陰の対比表現が面白い。
振り切っててしかも結構ハマってるから、重量感が伴うビートの利いた楽しい音色です。
GR160はINTEKにしっかりハンドリングされているので、完全にドライブされています。
その低域は、床を這ってステージ方向(前方向)から「ぐーん」と空気が押し寄せてくるイメージ。
実は、ライブ会場でもそんなサウンドだったのです。

「これ、会場っぽいや。広いホールの雰囲気がわかるなあ。イメージどおりだね」
「そうっすね、ダイナミックですわ」
ふたりの意見は一致を見せました。

GR160、ドライブするアンプを選ぶのにはそれほど苦労しなさそうな印象。
エントリーラインのアンプでも鳴らないってことはなさそうです。アンプの個性もちゃんと表現しますよ。

組み合わせより、むしろこの低域の量感をどう制御するのか?、が使いこなしのポイントかも。
リア側やサイド側の壁との距離やスピーカーの左右間の距離、そしてリスニングスポットまでの距離を
しっかり調整しながら、低域〜中域〜高域がバランスのよいサウンドに落ち着くようがんばってみるのがイイと思います。
皆さんのリファレンス曲を基準サウンドとして、バスレフポートのあるボトムのスリットに
付属のウレタンフォームを詰める事で量感をコントロールしてみるのもいいでしょう。
また、リファレンス以外の音源がちょっと低音過多気味な場合には、
バス調整ツマミがあるアンプならば、都度それを積極的に活用してみるといいかもしれませんね。
兎にも角にも、GR160の特徴である低音をバランスよく鳴らしてあげたい気分なのです。

FOSTEX_GR160_rear.jpg
<GR160リア部 エンクロージャー下のウレタンフォームがわかりますか?>

その場に資料がなかったので、試聴後に公式webを見たのですが、
FOSTEXさん曰く、やっぱりこのスピーカーのポイントは低音のようですね。
「低音って空気の動く感覚なんだよな」 そう、改めて感じさせられた次第。
確かに「看板に偽りなし」だな。

リーズナブルなスピーカーを探してるんだけど、低音の量感がたっぷりしたものが無いかな?って
思われてらっしゃる方は、一度試聴なさってみてはいかがでしょうか?

間もなく発売開始でご予約も受付中です。
FOSTEX GR160(ペア) ブックシェルフ・スピーカー
http://www.oliospec-pcaudio.com/index.php?action=item_detail&itemCode=GR160

-----------------
FOSTEX GR160
形式:2Wayバスレフ型
クロス:2.0kHz
出力音圧レベル:85dB/W(1m)
再生周波数帯域:50Hz~35kHz (-10dB)
20mm リッジドーム形状純マグネシウムツィーター(高音用)
16cm HR形状2層抄紙振動板ウーハー(低音用)
インピーダンス:8Ω
最大許容入力:100W
外形寸法:228(W)×390(H)×273(D)mm (グリル含む)
重量:8.6kg
-----------------
【naimaudio mu-so インプレッション1】 〜 “mu-so” 来たる! お久しぶり、naimaudioです・・・って、何モノ?
【おかえりなさい! naimaudio。オールインワン・アクティブスピーカー“mu-so”来たる!】

それは、突然のインフォメーションでした。
二ヶ月ほど前、イギリスのオーディオショップよりダイレクトメールが届いたのです。
naimauidoが新コンセプトのハイファイプロダクトをリリースした、との事。
「naimの新しいコンセプト?なんなんだ、それ?」と、下調べを始めたのであります。

それから、しばしの時間を経て。

おかえりなさい、naimaudio。
昔っからのnaimaudioファンの皆さま、よかったですね。
mu-soという新たなプロダクトとして、また日本のオーディオマーケットに戻ってきました。
もちろんオリオスペックにもやってきましたよ!

mu-so全景03.jpg
<お久しぶり、naimaudioです。 mu-soって言います。って、知らないですよね? ※輸入元にて>


【naimaudioって?】

1960年代の末期〜1970年代のイギリス。
LINN、REGA、MERIDIAN、ARCAM、etc…
ブリティッシュハイファイの次世代を担うことになるメーカーが次々に誕生しました。
その中のひとつに数えられるメーカー naimaudioも、時を同じくして
イングランド南部の大聖堂とストーンヘンジで有名な地、ソールズベリーおいて生まれたのです。

ちなみに、“naim”と書いて、名前のnameと同じ発音で「ネイム」と呼びます。

イギリスのアンプビルダーとして名を馳せたnaimaudioのプロダクトは、
看板である
パワーアンプ、そして自社製モニタースピーカーと共に、イギリス初の民間放送局である
Capital Radioのモニターシステムとして採用される事となり、会社とのしての基礎を固めます。

1970〜80年代においては、スコットランドのLINN PRODUCTSとの間に盟友的関係を結ぶこととなりまして、
LINN LP12とISOBARIKをnaimのエレクトロニクスでドライブする2ブランドシステムが、
naim/LINNのコンプリートシステムとしてヨーロッパのハイエンドハイファイマーケットを席巻するのです。


HNR_SYSTEM1987.jpg
<1987年 イギリス HiFi News & RR誌の naim/LINNによるコンプリートシステム記事>

LINNK01.jpg
<naim/LINN蜜月時代のモデル LINN LINNK (フォノイコ) 1981年製 OEM表記にご注目!>


ブリティッシュハイファイの最もエキサイティングな時代を駆けぬけた、naimaudio。
プロフェッショナル、コンシューマ両方のセグメントにマーケットを持つ、
欧米のハイファイマーケットでは大変著名なブリティッシュハイエンドブランドなのです。
日本のマーケットでも、代理店の変更や何度かの中断期間はあったものの、
30年も前から輸入されていた、いわばイギリスハイファイオーディオの古参ブランド。
とはいいましても、実のところ、ここ日本ではあまり知られていないブランドなんですけどね。


【mu-soの製品コンセプト】

mu-so全景04.jpg
<サランネットを外したところ ※輸入元にて>

このmu-soという製品ってどんなものなの?と問われますと、言葉を発するまでにちょっと考えてしまいます。
そうですね、以下のように説明できるでしょうか。

「左右チャンネルをワンボックスにしたアクティブスピーカーで、
その中に、Wi-Fiや有線LAN、USB端子、TOSLINK、Bluetooth、Airplay、アナログ入力、インターネットラジオに
対応した多様なプレーヤー機能を実装している、なんでもありのコンプリート型ミュージックシステムです」

一見、BANG & OLUFSENのプロダクトやBOSE Wave Music Systemに似ていますが、
mu-soの搭載している機能から見ると、これらとは同一セグメントとして分類出来る製品ではない、と言えます。

Wi-Fiや有線LANに対応しているということは、
メディアサーバ機能を有したNASやPCとの組み合わせによってネットワークプレーヤーにもなりますし、
本体サイドのUSB端子にUSBメモリやiPodを挿せば、
PCにインストールしたレンダラーの様に、中の音源ファイルをそのまま再生出来ます。
TOSLINKやアナログ入力では、普通のCDプレーヤーやブルーレイレコーダーやTVとも接続可能ですし、
BlutoothやAirplayでは、スマホやタブレットとワイヤレスで連携可能なのです。
ついでに、インターネットラジオの受信機能も搭載されておりまして、
加え、今後の日本への上陸が期待されるSpotifyにも対応済となっています。
------------------
※Bluetoothは、SBC/AAC/aptXに対応
※インターネットラジオのデータベースは、vTunerプレミアム
※アンオフィシャルな情報ですが、アナログ入力はA/Dコンバージョンするらしい(未確認)
------------------

mu-so_HiFichoice02.jpg
<イギリス HiFi Choice誌より(誤植箇所の修正追記済)>

USB02.jpg
<側面端子部拡大:USBポートとアナログ入力用ステレオミニジャック>

LANポートtoslink.jpg
<底面端子部拡大:2Pメガネ端子型電源コネクタ、TOSLINK、LANポート>


今一般ユーザーレベルで考えられる殆どすべてのメディアに対応しているからこそ、
「オールインワン」なミュージックシステム、と表現する事が出来ましょう。

創業以来、ハイファイエンスジーアスト向セグメントの製品をリリースしていたnaimaudioですが、
このmu-soは、それとは異なる「一般音楽リスナー向け」をターゲットにした製品だそう。
naimaudioとして新機軸となるこの方向性を理解しておくことは、
mu-soの仔細を判断していく上で大変に重要な意味を持つのです。


それでは、皆さま。
これから少々お時間を頂戴しまして、naimaudioのmu-soを少し深く眺めていこうと思います。
naimを初めて知る方は、「mu-soに込められたnaimの拘りと想い」を
往年のnaimファンの方は、「mu-soによって今のnaimがあの頃から変わったのかそうでないのか」
そんなあたりを感じ取って頂けますと幸いです。

つづく
 
【naimaudio mu-so インプレッション2】 〜 しっかり作りこまれた操作アプリは、なんと日本語化済。シャレたボディにも色々とですね・・・
【しっかり作りこまれた操作アプリ。なんと日本語化済】

操作は、本体ボタンや通常のオーディオ機器に付属するリモコンで可能なんですが、
なんといっても、スマホやタブレットを使い、全機能をGUIベースでフルコントロールできちゃいます。
iOS、Android共にアプリが提供されていますので、プラットフォームは選びません。

タブレット01.jpg
<操作アプリのTOP画面 上:INPUT切替 下:Internet Radio>


この操作アプリ、しっかり作りこまれておりまして、特にGUIがよく出来ています。、
見た目が美しいですし、直感的な操作が可能です。
多機能なのに、とてもシンプルな操作系と言えますね。
しかも、アプリは日本語化済なのです。
「機械操作がちょっとニガテ・・・」とおっしゃる皆さまでも、
とりあえず5分操作してみたらバッチリ覚えちゃうんじゃないか?ってくらいです。

タブレット03.jpg
<USBメモリ内のフォルダ表示>

タブレット04.jpg
<フォルダ内の音源ファイル(例は、waveファイルのためアルバムアートなし)>

タブレット06.jpg
<プレイバック中の楽曲表示>

純正リモコン.jpg
<通常タイプのハードリモコンも付属>


【外装デザインから俯瞰する】

ヘアライン加工されたアルミニウムの外装が目を引きます。
エッジがしっかり立っていますので、見た目がシャープで高級感があります。
オシャレ感、満載です。

s-Naim_mu-so_view001.jpg
<サランネットを付けた状態。鋭角なヘアライン入りアルミ筐体とアクリル製のベース>

しかしながら、これはアルミ単一の筐体ボックスではありません。
アルミの内側、実はMDFのエンクロージャーになっているのです。
そう、単体スピーカーのエンクロージャーに最も利用されている材料です。
MDF、木くずを圧縮成形したものでして、
その特性からスピーカーエンクロージャー用途には相応しい材質です。

木質エンクロージャーの周囲をアルミで囲っているわけですから、
響きの良さに加え剛性も高まる、といった具合です。


<アルミ筐体の中はMDFによるボックス構造。すなわち、スピーカーエンクロジャーそのもの>

mu-soから音が出ている時、スピーカーユニットの上の部分のエンクロージャーに
耳を当ててみてください。筐体が鳴くような余計な音がありません。
つまりこれ、「サウンドが濁っていない」という証明です。
前述した、MDFとアルミによるmu-soの筐体構造によってなせるワザ。
この点、プラスチック筐体が鳴きまくるCDラジカセとの一番大きな差異と言えます。

スピーカーユニットからの出音についても、高域や低域を無理矢理誇張させる様な事をしていません。
小手先のテクニックで、派手に虚飾するスタイルをとっていませんので、
一聴すると地味なサウンドなんですが、それはなんとも自然に感じ、まず聴き疲れしないのです。
そうです、これはゼネラルオーディオにカテゴライズされる製品ではなく、
一般音楽リスナーに向けたHiFiシステムなのであります。


mu-soコントロール.jpg
<本体での操作はここで。丸いところを回すとボリューム。重すぎず軽すぎない心地よい操作感>

ヒートシンク.jpg
<リア側:ヒートシンク状のアルミ製フィン。この裏面にWi-Fiのダイバーシティタイプのアンテナを内蔵>

つづく
 
【naimaudio mu-so インプレッション3】 〜 そこから奏でられるサウンドは、naimaudio独特の世界観
【ハードウェア的特徴とnaimaudio独特の世界観で奏でられるサウンド】

mu-soのハードウェア的な構成をもうちょっと深く掘っていきましょう。

muso_inner01.jpg
<mu-soの内部構成。プレスリリース時? ユニットが量産モデルと異なる ※海外webより拝借>


まずは、naimの代名詞であるアンプ部について。
昔っからのnaimファンの皆さんは、まずここを知りたいですよね?(笑)

mu-so、実はD級アンプなんです。またパワーサプライもスイッチングです。
昔のnaimをご存知の方は驚かれたかもしれませんね?
D級アンプの採用ですが、naimではこのmu-soが2番目の製品になります。
ちなみに一番最初は、ベントレーに供給されている純正カーオーディオ用パワーアンプです。

naim_car01.jpg
<naimaudio car audio poweramp for BENTLEY>

naim_car02.jpg
<naimaudio car audio poweramp for BENTLEY>


採用されたモジュールは、STマイクロエレクトロニクスのTA516B/STA311B。
このモジュールにて、左右スピーカーの計6ユニットを個別にドライブしています。
そう、ユニット毎に独立したパワーアンプがぶら下がる、マルチアンピングって意味です。
naimの黎明期、naim/Linnのコンプリートシステムを彷彿させる6パックマルチアンピング。
プチなスタイルではありますが、なんとこんなところでその志向は活かされていました。

mu-so_inner02.jpg
<音響チューン用(特に低域)のダクトと思われる ※英国What HiFi誌より>

もちろんサウンドチューンは、naimによるもの。これはさすがに手抜かりはありません。
左右スピーカーの間に出来た音場を視覚的に表現するような基調ではなく、
音楽に内在する大きな波や小さな波を自在に組み合わせて、
ついタップを打ちたくなるようなリズムを奏でるサウンド。
これは、Pace, Rhythm and Timingという要素を重視した、フラットアースと称されるサウンドです。
その昔のこと、当時のnaimのエントリーライン・フルシステム、
NACD3(CDプレーヤー)/ NAIT3(プリメインアンプ)/ CREDO(スピーカー)で
Chaka KhanやCheryl Lynnを聴きながら足でリズムをとっていた時の記憶、ふと浮かんできちゃいました。

耳につきやすい帯域の誇張がないため、一聴大変地味なサウンドに聴こえると思います。
しかし、20分くらい気持ちを落ち着けて、ゆったりじっくりと音楽を鑑賞してみてください。
じわーっと、しっかりと、あなたの耳まで音楽のエッセンスが届いているはず。
このようなサウンドは、ヨーロッパのハイファイマーケットでは好意を持って受け留められるサウンドのひとつ。
聴き疲れの起こらないその音は、音楽だけを集中して聴く時だけに留まらず、
炊事や洗濯などの家事をしながらでも、ご家族で会話をしながらでも、お仕事をしながらでも、
本来やりたい事を邪魔されることもなく音楽と寄り添う事ができるのですね。


デジタル回路部の中心となるDSP回路は、シーラスロジック製のチップです。
CS47024DSPと呼ばれる32bitのチップには、D/Aコンバーターも実装されているそう。
しかしながら、これをコントロールするプログラムはnaimが自社で興したソフトウェアとなっています。
後述するmu-soならではのサウンドは、ここのチューンによるところが大きいでしょう。
近年のエントリーセグメントのオーディオビジュアル機器は、
チップメーカーによるリファレンスデザインやソリューションをそのまま実装しちゃうケースが多いのです。
がしかし、この点においてもnaimはしっかり自社のカラーを押し出してきました。
CDプレーヤ全盛期においても、Philips製デバイスのコントロール用ソフトウェアを自社開発してきたnaimですから、
その手の開発には長い実績があります。ここも、さすが!っと唸らされた次第。


ネットワークプレーヤー機能については、
既に、ハイファイエンスジーアスト向セグメントの製品“Uniti”シリーズの実績を持っています。
しかも、mu-soはネットワークベースでのマルチルーム対応も実現しておるのですが、
これについても、naimでは相当以前よりR&Dのセクションを設けており、
おそらくそこでの経験と実績が、mu-soのネットワーク機能の土台になっているものと想像します。


こうしてmu-soを見ていくと、「naimはあの頃と変わってないんだなあ」と感じます。
時代が移り変わり、商品コンセプトや使われるデバイスが今っぽいスタイルになったしても、
「拘るポイントと伝えたい想いは、やっぱりnaimaudioのまま」なのでした。

HNR_naim_linn.jpg
<1987年 HiFiNews & RR誌 naim/Linn 6パック コンプリートシステム ※海外webより拝借>

つづく
 
【naimaudio mu-so インプレッション4】 〜 では、mu-soを部屋の何処に置き、そして何処でリスニングするのか?

【それは、ごく普通の音楽リスナーのために】

図は、mu-soの置き場所とリスニングポイントを示しています。
mu-so_listening_position.jpg
通常のオーディオの場合、左右スピーカーの頂点である“Aポイント”“Bポイント”でリスニングする事が多いでしょう。
いわゆる、オーディオ的なスイートスポットっと呼ばれる位置となります。
特に“Aポイント”は、ニアフィールドリスニングでイチバン使われるリスニングスポットでもあります。

mu-so、実際に聴いてみますと、リスニング範囲の限定を極めて受けにくいのが特徴。
mu-soから離れた“Bポイント”であっても、同じく距離があってオフセンターに位置する“Cポイント“でも、
なんと、スピーカーサイドの“Dポイント”であっても、音楽のバランスが同じように聴こえます。
検証環境では、“Bポイント”“Cポイント”がイチバン心地よく聴こえた様に感じました。

出力という観点から見ても、かなり広いエアボリュームをカバー出来ています。
オリオスペック内のイベントスペース全域をはじめ、PCパーツ売り場の1/3程度はカバーしていると思います。
これ、鳴ってればイイんだっていうレベルでの話ではなく、
当然、音楽的、オーディオ的に満足出来るレベルのサウンドクオリティを以ての判断です。
従って、ちょっと広めなリビングルームをはじめとして、店舗、会議室のようなスペースにも適応可能だと思います。

またスピーカーの高さの影響も、試聴テスト時の印象では皆無と言ってよかったです。
テストの際は、椅子に座って耳の高さに当たる場所にmu-soを配置したのですが、
椅子から立っても地べたに座ったとしても、音楽のバランスという観点において
その聴こえ方に変化が生じなかったのです。

端的に言ってしまうと、
「スイートスポットという概念が無いのではないか?」と思うほど、サービスエリアが異常に広い感覚。
これ、オーディオ好きな方からすると、驚くどころか信じられないかもしれません。
すなわち、mu-soのサウンドコンセプトは「レイアウトフリー」である事を意味しています。
オーディオマニアのセグメントではなく、これはマスユーザーに焦点を当てたプロダクト。
ハードウェアの設置場所をオーディオ的な理想ポイントに固執することが出来ないであろう、
そんな一般ユーザーにこそ、この配慮は本当に有益なものとなるはず。

mu-soをリビングルームの中で無理なく置ける場所に配置しておけば、
キッチンで洗い物をしていようと、掃除をしていようと、ゆっくり本を読んでいようと、
mu-soから流れるサウンドは、しっかりとリスナーの耳へとデリバリーされるわけです。


mu-soイルミ.jpg
<IR受信部とnaimロゴのイルミ。イルミの輝度はアプリで調整可能>


naimによるDSPのソフトウェアチューニングでもう一つ触れておきたい点があります。
それは、mu-soの設置場所によってサウンドバランスを調整出来ることです。

mu-so_setting_position.jpg
図は、mu-soの設置場所を示しています。赤矢印の長さに注目してください。
左右の図を比べますと、壁とmu-so本体の距離が違っています。
LS3/5A等の小型スピーカーを愛用なさっていらっしゃる方は、おそらくお気づきでしょう。
本体から壁の距離が近い場合、サウンドが壁を反射する事により低音が増幅される
「バウンダリーエフェクト」という現象が発生します。小型ブックシェルフスピーカーは、
この距離をセッティングにて調整することによって、低音の量感をコントロールするわけですね。

踏まえ、mu-soです。
そんな難しい理屈は抜きにして、壁にピッタリくっつけて配置する時と離して配置する時に分けて、
独自のパラメータでイコライジングを掛けるのです。
従って、設定を切り替えさえすれば、室内のどこに配置しようが
常にフラットバランスなサウンドチューンが施される、といったわけですね。

なお、この切り替えはタブレット側のアプリで行います。
アプリのGUIにも、この点がわかりやすく表示されますので、どなたでも設定可能となっています。

タブレット07.jpg
<ルームポジションでのサウンドチューンは、セットアップから可能>

タブレット08.jpg
<ルームポジション画面。現在は“壁から離れたところ”で設定>


つづく
 
【naimaudio mu-so インプレッション5】 〜 「この曲ってイイよね!」 きっとそんな会話をしたくなる
【ジャパニーズハイファイと異にする価値観をどのように判断すべきか】

日本のハイファイオーディオマーケットにおけるオーディオマニア向雑誌や評論家さんには、
ここまで列記した魅力に対する価値尺度がそもそも存在していませんので、
従来のオーディオマニアック的な価値基準・判断基準を以てして、
この製品の魅力をキチンと理解・評価する事は、かなり難しいのではなかろうか?と思うのです。

踏まえまして、決して万人受けするとは思いませんが、
しかし、きっとこのmu-soのようなサウンドやコンセプトを好まれる方はいらっしゃるはず。
しかも、その数は案外と少なくないと思うのです。

「音楽はビートでしょ!」とか「リズムに乗ってサウンドを浴びたい」
身体で感じる曲に合わせ、ついつい笑顔でタップを踏んじゃってるかのように、
気軽な音楽の聴き方を好む方には、結構ハマっちゃうサウンドシステムなんじゃないかと。


what_hifi_muso_rev.jpg
<イギリス What Hi-Fi誌 Review 5star Award 2014>


hifi_choice_muso03.jpg
<イギリス HiFi Choice誌 Review 5star Recommended


【オリオスペックのHighly Recommended】

ハイレゾという名称で話が進むファイルオーディオですが、
現在のところ、据え置きオーディオやポータブルオーディオのマニアを軸に話が進んでいます。
したがいまして、ハイレゾを再生するオーディオ環境の話になりますと
とかくマニアックで小難しい方向に走りがちだと思うのです。

そんな風潮の片棒を担いでいるのは、他ならぬワタクシどもでございますが、
ごくごく一般的な音楽ファンの皆さまにも、ファイルオーディオの魅力と可能性をご提案したい、そう願っております。

初期導入時のハードルを可能なかぎり下げて、操作も出来るだけ簡便に。
そして、サウンドは、家庭でのリスニングにおいて適正であり、且つオーバースペックに成りすぎないクオリティ。
シンプルなスタイリングの陰の、音楽とハイファイオーディオに対するさりげない拘りと想い。

日々音楽と寄り添いながら過ごしたいと願う、そんな音楽大好きな皆さんだけに留まらず、
ハイファイマニアックスな皆さんであったとしても魅了される方がいらっしゃるかもしれません。
もちろん、往年からのnaimaudioファンの方にも是非聴いて頂きたいサウンドなのです。

mu-so、ちょっと聴いてみませんか? あなたの大好きなあの曲で。
オリオスペックでご体験頂けますよ。お気に入りの曲も忘れないで持ってきてくださいね。

naimaudio mu-so。
「この曲ってイイよね!」 そんな会話をきっとしたくなる
オリオスペックのHighly Recommendedなハイファイプロダクトでございます。

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以上となります。


製品名:naimaudio mu-so オールインワン・ミュージックシステム
価格:¥165,000(税抜)
常設デモ機をご用意しておりますので、お気に入りの曲とご一緒にお気軽にご来店ください。

※以下、仕様(取扱説明書より)
<音声入力>
▽PC系INPUT
・UPnP(Network Player機能)
・USB/iOS(USB Atype)
・AirPlay
・有線/無線LANによるSpotifyおよびInternet Radio
・Bluetooth
▽デジタル系INPUT
・TosLink(〜96kHz)
▽アナログ系INPUT
・3.5mmステレオミニプラグ

<音声形式・関連仕様>
WAV・FLAC・AIFF(〜24bit/192kHz)
Apple Lossless(〜24bit/96kHz)
MP3・AAC(〜48kHz/320kbps/16bit)
OGG・WMA(〜48kHz/16bit)
Bluetooth(SBC/AAC/aptX)
※Wireless Networkでは、すべての形式が最大48kHzまで
※Internet Radio:vTunerプレミアム

<ネットワーク仕様>
Ethernet(10/100Mbps)
Wi-Fi(802.11b/g)
Bluetooth

<リモートコントロール機能>
アプリによるタブレットコントロール(iOS/Android)
RC5リモートコントロール(付属)

<その他仕様>
スピーカー: 3way x 2ch (1BOXに搭載) バスレフ
アンプ: 75W x 6amp (8Ω)、合計450W
外形寸法: 122mm(H) x 628mm(W) x 256mm(D)
重量: 13kg
消費電力:17W(通常時)、4W以下(スタンバイ時)、0.5W以下(スリープ時)
電源: 100V-230V・50/60Hz (マルチボルテージ仕様)
操作アプリケーションによる、本体Firmwareのアップデートが可能

 

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